小顔になりたいから、よくマッサージしています
美容部員時代、しばしばこんなお客様にお会いしました。
きれいになるために、一生懸命努力している姿は素晴らしいと思います。
でも、私は、顔のマッサージはおすすめしない派です。
なぜおすすめしないのか。
それはマッサージのやり方を間違えると「老け顔になる」から。
顔のマッサージをすべきか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
マッサージをおすすめしない理由
マッサージの力加減は、とても難しいです。
強すぎず、ちょうどよい加減でマッサージするのって、本当に大変!
11年間、多くのお客様の肌を見てきましたが、みなさんほぼ例外なく力が強すぎます。
「少し力が強いですね」とお伝えすると、例外なく「えっ!?力入れてませんけど」という答えが返ってきました……。
そうなんです。顔のマッサージって、自分が思うよりずっと「ソフト」に行うものなのです。
(きれいになりたいという思いが、力強さとなって表れてしまうのかもしれませんが)
ぐりぐりと日常的に自己流でマッサージをすると、どうなるか。
悲しいことに、老け顔になります。
なぜ老け顔になるのか、ご説明しますね。
リガメント靭帯が伸びて顔がたるむ
リガメント靭帯とは、顔の皮膚と表情筋を骨につなぎとめ、脂肪を支えているひも状の組織です。
リガメント靭帯のおかげで、顔の脂肪が下に下がらず、フェイスラインをキープすることができます。
しかし、残念ながら、このリガメント靭帯は細くて繊細な組織なんです( ;∀;)
顔を強くマッサージしてリガメント靭帯が傷つくと、顔の脂肪を支えきれなくなります。
すると、どうなるか。
- 顔がたるむ
- フェイスラインが下がる
- ほうれい線が目立ってくる
- 顔が大きく見える
こんな悲しい事態になる可能性が!
さらにマッサージを続ければ、リガメント靭帯はどんどん伸びていきます。
一度伸びたリガメント靭帯は、元に戻りません。(医療ケアを除く)
力が強すぎるマッサージは、即刻やめた方がいいです。
色素沈着をおこして顔がくすむ
毎日顔をマッサージしていると、顔がくすむ可能性があります。
強すぎるマッサージにより肌の表面が傷ついて炎症をおこすと、そのまま色素沈着することがあるからです。
経験則ですが、マッサージクリームを適量使用して、週に2~3回の頻度なら、色素沈着することは少ないように感じます。
注意が必要なのは、こんな場合です。
- マッサージクリームを少量しか使わない
- 毎日マッサージをしている
- 時間をかけてじっくりマッサージをしている
マッサージクリームがもったいないと言って、少ししか使わない方はいませんか?
ケチらずちゃんと使ってくださいね。
そして、毎日&5分以上はやりすぎです。
肌にとって逆効果になる可能性があります。
シミ・そばかずができやすくなる
顔をマッサージする力が強い場合、肌への刺激となります。
実は、肌をこする・たたくなどの刺激を与えると、メラニン生成が活発になるのです。
すると、シミ・そばかすが増える可能性がアップ!
もちろん、メラニンが肌に増えただけでは、シミやそばかすは増えません。
生成されたメラニンは古い角質が剥がれ落ちる際に一緒に排出されますが、そのまま肌に残るとシミやそばかすになります。
例えばこんな場合に、注意が必要です。
- 毎日長時間、紫外線にあたる
- 代謝が悪く、肌がごわつきやすい
- 加齢のせいか、肌がくすんできた
- 仕事のストレスで眠れない
これらはターンオーバーの乱れにつながります。
誰でも、どれかひとつはあてはまりそうな身近なことばかり。
マッサージの刺激でメラニンが増産 + ターンオーバーの乱れは、要注意です。
マッサージの最もこわいこと
マッサージで最もこわいと思う点は、「本人は気づかない」ということです。
マッサージする力が強いことも、肌によくない変化が起きていることも、自分では気づきにくい。
自分の顔は毎日鏡で見ているので、ゆっくり進む変化って、わかりにくいんですよね。
人からの指摘や、写真に写った姿を見て初めて気づく人も多いです。
毎日少しずつ、着実に、肌にダメージが与えられる。
そして、時間がたって、肌悩みとしてでてきて、はじめてわかる。
皮膚や靭帯にどれくらいのダメージを与えたかなんて、その時にはわからない。
これが、マッサージの一番のデメリットだと思います。
もし顔をマッサージするなら
私が顔のマッサージをするのは、今すぐ何とかしたい時だけです。
朝起きて顔がパンパンにむくんでいた時、マッサージをして顔を整えた経験はありませんか?
顔をマッサージするメリットは、以下の2つです。
- 血行が良くなるため、顔色が明るくみえる
- リンパの流れが良くなるため、顔のむくみがとれる
あたりまえですが、顔自体は小さくなりませんし、肌が白くなるわけでもありません。
しかし、むくみがとれれば小顔に見えますし、血色がよくなればメイクがキレイに映えます。
そして、効果の実感が早い。
顔のむくみケアとして、その時だけやるなら、顔のマッサージは有効な方法だと思います。
そして、顔をマッサージするときのポイントは3つ。
- クリームやオイルなど、肌をこすらないためのマッサージ用アイテムを使うこと
- 手をゆっくり動かすこと
- マッサージ時間は、長くても3分程度にすること
特に2を意識してください。
手をゆっくり動かすと、余計な力が入りません。
肌をなでるように、優しく手を動かすのがおすすめです。
日常的な顔のマッサージはおすすめしない
個人的には、日常的に自分で顔のマッサージをすることはおすすめしません。
マッサージは、すぐに顔を整えたい時のみにとどめる方が良いと思います。
繰り返しになりますが、マッサージの力加減は難しいです。
皮膚や靭帯にダメージを与えない程度の力で、むくみケアや血行促進の効果も出しつつ、痛くないようにするのって、本当に難しい。
マッサージによるデメリットが不安なら、無理に行う必要はありません。
スキンケアやエイジングケアは、他にもたくさんの方法があります。
自分の安心できる好きな方法を選んで、お肌と上手に付き合っていきましょう。